第03話-3

「攻撃を開始しろ」

「了解だ」

各々に声が上がり、彼らは行動を開始する

何故地球をターゲットに選んだのか?・・しかもセルムラントなどという比較的田舎な国を・・


答えは、「首相」が知っていた

この国は田舎とはいえ発展率が非常に高く、世間的にも「平和な共和国」だ。

というワケで・・地球の遺跡から発見されたロストテクノロジィが、悪用されないように集められていたのだ


五十数名からなるテロリスト集団はそれを狙い、まさに悪用するためにやってきていた


・・よりにもよって、祭典の日に・・


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海岸線は一転、パニックになっていた

沖からそれだけの数のギアが上陸してきたのだから当然か・・


「む・・・」


ガンマはそれにいち早く気が付くと、やっと972回振った剣を握ったまま走り出した


・・敵襲と見るべきか・・


ガンマは敵意、あるいは殺意を感じ取り・・・砂浜に立った最初の一機に、攻撃を仕掛ける


・・ずっ!!・・


「何ィィっ!?」


自機の両足が切断されたのを見て、テロリストは驚愕した


「あなた達は何者ですか?・・まず上陸ポイントを間違えていると思われますが」

「な、なんだこのヘンテコなIFRは?」

「・・質問しているのですよ」


ガンマはヘンテコという言葉にちょっとだけ怒った


五十数機のギアは上陸しつつ、何機かはガンマに向かってくる


「何様だ!IFRが偉そうに・・」

「奥義・・」


突っ込んでくる敵・・

ガンマは炎皇を順手、雹星を逆手に持ち・・

敵の間を駆け抜ける


そのスピードは脚部のリニアローラーによって、まさに目にもとまらぬものとなった


「疾・風・迅・雷!!!」

・・今度は声を上げるまでもなく、ガンマの前に立ったギアが全て行動不能に陥る


「な、何がしたいんだてめぇは!?」

「あなた達は「祭」を潰そうとしている、祭典とは人の集まる時・・このような物を持ち出すというのは悪以外何者にもあらず!!」

「気取りやがって・・!!」

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「ふわぁぁぁぁ・・・・・む。」


セラとネスの姿はなくなっていた・・ロディと共に受付周辺にいるらしい

今病室にはメイの姿だけ・・しかし、当のメイが・・


「・・はれぇ~・・・?ここドコぉ~・・・・?」


上体を起こす・・


「痛っ!?」


右腕に刺さっていた点滴の針が触れた


「いっ・・たい・・・・何でこんなの刺さってるのぉ・・?」


・・・あ・・・

何となくだが、思い出したくない四日間の事を思い出す


・・そうだ、ボクどうなっちゃったんだろ・・・?


しかし、身体はなんともない。

今は精神的な違和感も特にないし・・・・・


ずず・・・ぅん・・・


「・・!」


爆発音を聞いた

メイはなぜか、いてもたってもいられなくなってベッドから起きる

足下がややふらつくが・・着替えを済ませると、廊下を抜けてエレベーターで一気に一階まで下りる

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「何の音だ?」

「爆発・・・」


ロディ、セラ、ネスも一階の受付で話をしていた

お昼だし「とりあえずゴハンにしよう」という事になったのだが・・

海岸の方、爆発の現地を見つめるロディ達の横を、だっ・・と駆け抜けていく少女がいた


長い緑色の髪、リボンはしていないが、見覚えのある後ろ姿


「まさか・・・メイッ!?」

「うそでしょっ!?」

「ま、間違いありません!!」


三人はメイを追って走り出す

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「ガンマ!・・」


何故か分からないが、彼女はガンマの居場所が分かっていた

自分でも不思議に思いながら、海岸線へひた走る


・・そういえば、ボクこんなに走れたっけ?・・・


そう思った瞬間・・メイの目前に海が開けた

同時に、何かが飛んでくる


・・ずどぉっ!!

・・ガンマだ。

ガンマが、メイの前で地面を滑っていく


「だ、大丈夫!?」

「ご主人・・そうか、ようやく適正化が終了したのですね・・」

「・・・ふえぇ??」


てきせーか?


「今のあなたならばギアに乗らずともあの方々を撃破する事ができます」


・・え?


「セプター化・・いや、「変身して」ください、ご主人!!」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?・・・・・・・・どうやって?」


ガンマが「ずでっ」とコケる


「・・油断が過ぎたなロボット野郎!!!」

「!?」

「ご主人・・!!!」


いつの間にか接近していたテロリストのギアが殴りかかった瞬間・・・

視界が、光に包まれた

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「よ、ようやくかっ!!」


ラディオン持ってくればよかった・・


ロディ達が海岸線に着くと、例の五十数機のギアは四十と少しにまで数を減らしていた

・・ギアと、二人の影が戦っているのが見える

「・・・なんだ、なんなんだありゃ・・」

「ロボットが二人?」

「ガンマ君と・・」


三人の目には両方ともロボットに見え・・片方はガンマのようだったが、もう一方がなんなのか・・


「とにかく、あっちのギア共が「悪」だな!?」


ロディはレイノスを取り出し、アンテナを装着した


「出番だぜ・・相棒ーっ!!!!!!!」


・・ゼファーは早々に出てくると、さっさと走り去ってしまった

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